休業損害はどのように計算しますか。
事故で就業ができず、減収(休業損害)が生じたときに賠償してもらわなければなりません。
1. 自賠責の場合の計算
- 休業損害は、休業による収入の減少または有給休暇使用の場合に1日につき原則として5,700円とされます。家事従事者についても休業による収入の減少があったものとみなされます。
- 休業損害の対象となる日数は、実休業日数を基準とし、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して治療期間の範囲内とされます。
- 1日につき5,700円を超えることが証拠上明らかな場合は、19,000円を限度として、その実額とされます。
2. 弁護士による計算
- 給与所得者の場合、現実の収入減について認められます。
その計算の仕方は、事故前3カ月の休業損害証明書を勤務先に提出してもらい、一日当たりの基礎収入を計算して、休業日で掛けて算出します。有給休暇を使用した場合も、賠償の対象となります。 - 事業取得者の場合も現実の収入減の範囲で認められます。
休業期間中の固定費(家賃、社員給与等)の支出も賠償の対象となります。売上を維持するために代替労働力を活用した場合、その賠償が認められます。 - 会社役員の場合、労務対価部分は休業損害として認められます。
- 主婦の場合、女子全年齢平均賃金センサスと実収入の高額の方を基礎に、 就業が制限された期間について、就業制限の程度で認められます。
- 無職者については、労働の意欲と能力があり、就労の蓋然性がある場合に 認められます。
なお,治療途中での休業損害の打ち切りは,「治療費は必ず支払われるか」を参照ください。